ティーショット、セカンド、アプローチ。ここまでは比較的スムーズに質問フローが作れた。でもパットだけは、3回作り直した。
パットは「スコアの約40%」
ゴルフのスコアにおいて、パットの占める割合は大きい。90で回る人なら、36〜40打はパッティングだ。つまり全ショットの4割以上がパット。ここを改善しないでスコアアップはあり得ない。
だからパットのデータはしっかり取りたい。距離、傾斜、ラインの曲がり方、そしてミスの種類。これらを掛け合わせて分析すれば「下りのスライスラインでオーバーしやすい」みたいな、ピンポイントの弱点が見えてくる。
1回目 — 全部聞いてみた(失敗)
最初のバージョンでは、毎パットごとに距離、傾斜、ライン、ミスの種類を全部聞いた。2パットなら8〜12回のスワイプ。3パットなら15回以上。
自分で試してみて、途中で嫌になった。自分が嫌になるものを、ユーザーに使わせるわけにはいかない。
2回目 — パット数だけにした(物足りない)
振り切って、「何パットでしたか?」だけにしてみた。1タップで終わる。楽だ。でもこれだと分析ができない。「2パットでした」しかわからない。それなら普通のスコアカードと変わらない。
3回目 — 「入った?」を軸にしたループ
最終的にたどり着いたのは、「入ったかどうか」を軸にしたループ構造だ。
まず状況(距離・傾斜・ライン)を聞いて、「入った?」と聞く。入ったら完了。入らなかったら「何がダメだった?」と聞いて、次のパットに戻る。カップインするまで繰り返す。
「聞かなくていい瞬間」を見つける
このループの中でも、省略できる部分を探した。アプローチで「1m以内に寄った」と記録されている場合、次のパットの距離は「1m以内」に決まっている。自動でセットしてスキップする。
こういう小さな省略の積み重ねで、1パットなら3スワイプ、2パットでも10スワイプ以内に収まるようになった。
完璧なデータと完璧な体験は両立しない。「80点のデータを、10秒で取る」のが正解だった。
3回の作り直しで学んだこと
パットの記録機能を3回作り直して、ひとつ確信したことがある。最初から完璧なものは作れない。作って壊して、また作る。そのたびに少しずつ良くなる。
個人開発は「完成してからリリース」じゃなくて「リリースしてから完成に近づける」もの。パットの機能がようやく納得のいくものになって、そう感じている。